代表的な受賞

電気学会 第6回 でんきの礎

【テーマ】 ピエゾ抵抗式半導体圧力センサ

【受賞日】 2013年3月21日

【受賞概要】

「でんきの礎」は、電気技術の中でも歴史的に記念されるものを顕彰することにより、今後の電気技術の発展に寄与させることを目的に、電気学会が2008年に制定したものです。1964年に開発された「ピエゾ抵抗式半導体圧力センサ」は、2013年に第6回「でんきの礎」に選定されました。

【技術の特徴】

ピエゾ抵抗式半導体圧力センサは、1964年に金属ダイヤフラムとゲルマニウム製半導体ゲージを接着して、世界で初めて当社で製作されました。
その後半導体プロセス技術と3次元微細構造を実現するマイクロマシニング技術との融合が図られ、1970年代に、現在広く使われているシリコンダイアフラムを有する立体構造に改良された圧力センサが開発され、製品化されました。
本圧力センサは現在広く普及している電気と機械分野を融合したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の先駆けとなったものです。

欧州特許庁 欧州発明家賞 Popular Prize

【テーマ】 QRコード

【受賞日】 2014年6月17日

【受賞概要】

欧州発明家賞は、欧州特許庁(European Patent Office)が技術的、社会的、経済的に優れた発明を表彰するために2006年に設立した賞です。 1994年に株式会社デンソーウェーブと当社が共同で開発した「QRコード」は、2014年「非ヨーロッパ諸国」部門にノミネートされ、他の部門を合わせた全15件の中から投票で決定されるPopular Prizeを受賞しました。

【技術の特徴】

QR(Quick Response)コードは、従来使われていた白黒ストライプのバーコードと異なりタテヨコ両方にデータを収納できるため、従来のバーコードと比較して350倍もの情報を書き込むことができます。また、英数字、シンボル、ひらがな、カタカナ、漢字、などの様々なデータを扱うことが可能で、かつ高速で読み取ることができる二次元コードです。
本コードでは、3頂点に目印を配置することで、背景模様の影響を受けることなく素早いコードの読取りを実現しています。またコードにデータを復元する機能を持たせることで、誤認識の確率を理論上10億分の1以下に抑えています。

QRコードの特徴

令和2年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞

【テーマ】 二酸化炭素と水から有機物を合成する人工光合成の実証研究

【受賞日】 2020年4月7日

【受賞概要】

文部科学大臣表彰 科学技術賞は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって⽇本の科学技術⽔準の向上に寄与することを⽬的とし、⽂部科学省が表彰しています。

【技術の特徴】

地球温暖化抑制のため、CO2排出量の削減、固定化が強く求められています。その一方で、化石燃料を使わずに有機物を生成することは極めて困難です。この課題に対し、植物の光合成システムを模倣する研究はこれまでも盛んに行われてきました。しかしながら、大気中のCO2と水を原料に、太陽光のみをエネルギー源としてCO2を還元する「完全な」人工光合成の達成は困難と考えられていました。
 本研究では、水を分解する半導体触媒と、CO2を還元する金属錯体分子触媒を複合化した新しい概念の光触媒を提案しこれを実現しました。その結果、従来の触媒では不可能であった一枚の板状構造素子への実装、水中での低電位、高効率のCO2還元反応を可能にしました。
 本研究により、CO2を含んだ常温・常圧の水中で、太陽光のみをエネルギー源とする有機物(ギ酸)の連続合成が実証されました。またさらに、この完全な人工光合成において、植物を凌駕する太陽光変換効率を達成しました。
 本成果は、今後工業用合成ガスやアルコールなど、より付加価値の高い有機物への高効率変換に発展させることで、CO2を資源とする持続可能社会実現に寄与することが期待されます。

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