45巻2号 (2014.6)
特集
センサデバイス
Part Ⅰ.特集
特集概要
論文
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pages 1-9
藤吉基弘、野々村裕、船橋博文、大村義輝、明石照久、畑良幸、江刺正喜
自動車やロボットの運動制御を目的として、新しいジグザグZ電極(ZSZ電極)とセンサチップの反り制御手法を持つ完全差動型3軸加速度センサを開発した。実験結果により、試作したセンサは他軸感度と非直線性が低いという優れた特性が得られた。
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pages 11-19
野々村裕、藤吉基弘、杉原久義
パートナーロボット制御用慣性力センサシステムを開発した。このシステムは角速度センサと加速度センサ、およびデジタルシグナルプロセッサ(DSP)からなっており、ロボットの真の姿勢角を出力することができる。このシステムを搭載したパートナーロボットは2005年愛知万博で大活躍した。
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pages 21-27
森朋彦、菊澤良弘、野田浩司
有機トランジスタを高選択性のガスセンサとして提案する。従来のSnO2ガスセンサでは困難とされていたガス選択性の向上が、有機材料の多様性を生かして有機半導体/絶縁膜界面に自己組織化単分子膜を導入することで可能であることを見出した。
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5. Alcohol Detection in Exhaled Air Using NDIR Absorption Method
NDIR法による呼気中のアルコール検出(1,160kB)
pages 29-34
藤塚徳夫、米村正寿、榊原清美、田口敏行、脇田敏裕
飲酒運転による交通事故の低減を目的に、非分散型赤外線吸収法(NDIR法)を用いた吸い込み式のアルコール検知システムの可能性を調査した。光源に量子カスケードレーザーを、ガスセルに長さ2mの中空ファイバーを用いることで、1ppmのエタノール濃度まで検出可能であることを明らかにした。
【日本語関連論文】
・藤塚徳夫 他, “NDIR法による呼気中のアルコール検出”, 電気学会論文誌E, センサ・マイクロマシン準部門誌,Vol. 132, No. 7 (2012), pp. 219-223.
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pages 35-40
山寺秀哉、太田則一、船橋博文
シリコン基板上に半導体集積化工程によりNiFe微細化薄膜MI(Magnetoimpedance)素子を試作し、その特性を評価した。その結果、従来の集積化磁気センサで用いられているMR(Magnetoresistance)センサよりも、高感度で温度特性に優れた磁気センサを実現した。
【日本語関連論文】
・山寺秀哉, 太田則一, 船橋博文, “微細化薄膜MI素子”, 日本応用磁気学会誌, Vol. 28, No. 4 (2004), pp. 593-596.
Part II.
論 文
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pages 41-50
廣瀬徳晃、但馬竜介、鋤柄和俊、津坂祐司
高齢化社会を迎えるにあたり、活動的で健康的な生活を支えるロボットの開発が求められている。豊田中央研究所では、ヒトに追従して荷物を運搬するパーソナルロボットを開発している。高重心、小床面積のロボットは姿勢を制御して、ヒトと同様の高い運動性能を実現することが要求される。本論文では、制御入力ゼロ化による新しい姿勢制御法を提案する。
【日本語関連論文】
廣瀬徳晃 他, “不安定極を有するフィードバック補償を用いた小型移動体の姿勢安定化制御”, 電気学会論文誌D, Vol. 133, No. 3 (2013), pp. 282-289.