50巻1号 (2019.3)
特集
次世代電子材料のための構造解析技術
特集概要
論文
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2. Defect Detection in Semiconductor Materials by Luminescence Analysis
ルミネセンス分析による半導体中の欠陥検出(888kB)
pages 1-9
片岡恵太、成田哲生、井口紘子、兼近将一、服部賢、山本愛士、加地徹
カソードルミネセンス(CL)やフォトルミネセンス(PL)に代表されるルミネセンス分析では、半導体中の結晶欠陥を高感度に検出可能であり、半導体デバイス開発において不可欠な手法となっている。CLやPLを用いた半導体中の欠陥分析に関しての三つの適用事例をレビューする。
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pages 11-17
磯村典武、野中敬正、渡辺行彦
SiO2/SiC界面において、化学状態選択X線吸収分光法とSiO2を薄膜化した試料を用いることにより、界面の原子構造解析を可能にした。SiC側界面には炭素空孔欠陥が存在し、SiO2側界面はトリディマイトに近い構造であることが示唆された。
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pages 19-26
堀渕嘉代、山口聡、西川恒一、木本康司、加地徹
アモノサーマル法で作製されたバルクGaN基板上にGaNをエピ成長させた試料中の転位構造を調査するため、X線トポグラフおよびTEMを実施した。GaN結晶では恐らく初めて観察された貫通転位が変形した「ヘリカル転位」の形成メカニズムを基にGaN基板の結晶品質の特徴を解明した。
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pages 27-37
大砂哲、八百川律子、中野秀之
最近我々は、フッ化したCaSi2またはCaGe2結晶の中に、新規な二次元結晶である2層シリセンまたは2層ゲルマネンを発見し、その構造を解明した。これらの結晶は、4、5、6員環のSiまたはGeから成る、同一の原子配列を有する。その波状のシート形状から、これらの構造をw-BLSiまたはw-BLGeと名付けた。
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pages 39-47
木村英彦、臼井正則、上山道明、浅田崇史、山口聡、瀬戸山大吾、佐藤敏一
放射光ラミノグラフィCTにより、パワーモジュール内の銅ナノ粒子接合層の熱疲労挙動を追跡計測した結果、独自の微視組織による疲労特性向上機構を明らかにした。また、スパイラルスリットにより内部の回折情報を抽出し、応力ひずみ分布を得る技術の基礎を構築した。