当社の宮野竜也らが行った研究成果が The 2025 American Control Conference (ACC) に採択され、発表を行いました。

 

ロボットやエネルギー機器などの制御では、対象の内部構造が複雑で、状態方程式を正確な数式モデルとして記述することが難しい一方、入力や状態に対するシステムの応答は観測できるという状況が多く存在します。このような実機や高忠実度シミュレータでは、詳細な数式モデルを前提に解析するのではなく、内部構造をブラックボックスのまま扱える制御理論が重要になります。従来、受動性(外から入ったエネルギー以上を生み出さない性質)に基づく制御設計は、安定性を保証する有効な枠組みとして知られていましたが、多くは状態方程式の具体的な形を前提としており、未知の非線形システムへの適用は困難でした。

 

本研究では、入力の影響が線形に表れる未知の非線形システムを対象に、入力・状態・出力の情報を用いて、その時々の挙動に最も近い受動的な参照システムを構成し、実システムをその参照に適応的に追従させる新しい制御手法を提案しています。本手法は、事前の精密なモデル化を必要とせず、実機に即した安定性保証を可能にし、複雑なシステム同士を安心して接続できる基盤技術としての活用が期待されます。

 

なお、本研究はACCでの発表に先立ち、IEEE Control Systems Letters誌に掲載されました(https://doi.org/10.1109/LCSYS.2024.3520031)。

 

タイトル: Adaptive Passification of Unknown Input-Affine Nonlinear Systems

著者: Miyano, T., Shima, R., Ito, Y.

発表の場: The 2025 American Control Conference (ACC)

発表日: 2025年7月10日