当社の後藤隼人らが、トヨタ自動車と共同で行った研究が Transportation Research Part D: Transport and Environment に掲載されました。

 

自動車分野では、走行中のCO₂排出削減に向け電動化が進められています。プラグインハイブリッド車(PHEV)は、電気とガソリンを併用できる現実的な選択肢の一つですが、その削減効果は「どれだけ電気で走ったか」を示す電動走行率(Electric Mileage Ratio; EMR)に大きく左右されます。実際の使われ方でEMRを高めることが、環境対策として重要になっています。従来は、試験モードや平均的な仮定に基づく評価が中心で、実際の運転や充電行動がEMRにどう影響するかは十分に分かっていませんでした。

 

本研究では、日本全国22地域で収集された約6,190台分のPHEV実走行データを用い、説明可能なAI手法であるEBM(Explainable Boosting Machine)により、電動走行率に影響する要因を解釈可能な形で分解しました。その結果、自宅での充電頻度などの充電習慣(およびドライバの性向)が、他の要因に比べ電動走行率への寄与が大きいことが示されました。さらに、週1回程度の自宅充電が効果の目安となり、充電習慣を促す施策がPHEVによるCO₂排出量の削減に有効である可能性が示唆されます。本成果は、車両性能の改善に加えて、日々の充電行動に着目した施策設計が、PHEVの実走行における排出削減効果を高める上で重要となり得ることを示すものであり、今後の交通政策やエネルギー戦略の設計に役立つと期待されます。

 

タイトル: How to Improve PHEV Electric Mileage Ratios? Factor Decomposition with Explainable

著者: Goto, H., Nishi, T., Shiga, T., Sasai, T., Fukushima, S.

掲載誌: Transportation Research Part D: Transport and Environment

掲載日: 2025年9月1日

https://doi.org/10.1016/j.trd.2025.104876