当社の森安竜大らが豊田自動織機、京都大学と共同で行った研究成果が、 Automaticaに掲載されました。
モデル予測制御(MPC)は、システムの挙動を予測しながら最適化によって制御入力を決定する制御手法で、自動車制御をはじめ産業界で広く利用されています。一方で、制御入力の計算のたびに最適化問題を解く必要があるため、計算負荷が大きい点が技術課題として挙げられます。これに対するアプローチとして、近年、最適化が完了しないうちに制御入力を更新する「高速MPC」が提案されています。しかし、実際のデジタル制御で用いられる離散時間実装では挙動が不安定になる可能性がありました。
本研究では、 高速MPCに用いられる主双対勾配法(Primal-Dual Gradient Dynamics)*1に対して、挙動の安定性を保証した離散時間実装を提案しました。刻み幅や更新則を工夫することで、計算を極めて簡単に保ちながら、安定性と制御性能の両立を実現しています。
本結果は、リアルタイム性が求められる産業機器において、挙動の信頼性保証と高度な制御性能を実現するための基盤技術として活用が期待されます。
*1 制約付き最適化問題を解くための代表的な反復アルゴリズムの1つ
タイトル: Sampled-Data Primal-Dual Gradient Dynamics in Model Predictive Control
著者: Moriyasu, R., Kawaguchi, S., Kashima, K.
掲載誌: Automatica
掲載日: 2026年1月1日
https://doi.org/10.1016/j.automatica.2025.112621