当社の原田雅史らが行った研究成果が、Chemical Engineering Journal に掲載されました。

 

燃料電池の性能は、発電時に生じる水の挙動が左右します。そこで、近年は、メソポーラスカーボン(数nmの細孔をもつ炭素材料)を用いた触媒層が開発され、内部の水の挙動を制御していましたが、触媒層内部とくにメソ細孔内の水分布を発電中にナノスケールで把握するのは困難でした。

 

本研究では、小角中性子散乱(SANS)を活用し、湿度と電流を変化させながら、メソ細孔内の水の状態を発電中その場観測しました。加湿ガス中の水素同位体比率を調整して、中性子散乱におけるカーボンと水のコントラストを制御することで、細孔内の水の「吸着」「凝縮」「蒸発」の3状態を区別できることを示しました。さらに、水の挙動は湿度や電流だけでなく、ガス流路内の位置によっても変化することを明らかにしました。これらの知見は、将来の高性能な燃料電池開発への貢献が期待されます。

 

 

タイトル: Water Generation in the Mesoporous Catalyst Layers of Automotive Fuel Cells: Insights from Operando Small-Angle Neutron Scattering

著者: Harada, M., Hasegawa, N., Kato, A., Higuchi, Y., Kato, S., Song, F., Iwase, H., Takata, S.

掲載誌: Chemical Engineering Journal

掲載日: 2025年12月1日

https://doi.org/10.1016/j.cej.2025.170753