当社の深谷徳宏らが九州大学と共同で行った研究が、Journal of Power Sources に掲載されました。

 

カーボンニュートラル社会の実現に向け、燃料電池は有望な技術の一つとされており、その性能と耐久性の向上が重要とされています。燃料電池に用いられる電解質膜では、水素や酸素が膜を透過する「ガスクロスオーバー」が発電効率や耐久性の低下につながるため、ガス透過性を適切に評価することが重要です。一方、多層構造を有する新たな電解質膜の開発が進む中、こうした膜のガス透過性を実用的な温度・湿度条件で簡便に評価できる手法が求められていました。

 

本研究では、ガスセンサを用いて電解質膜を透過したガス濃度を測定することで、多層構造の電解質膜のガス透過性を、実用的な温度・湿度環境に保ったまま、簡便かつ定量的に評価する手法を提案しました。また、本手法にて、ガスバリア層を挟んだ多層構造の電解質膜の酸素透過性を評価した結果、酸素透過性が従来膜の約3分の1であることを明らかにしました。

 

本成果は、燃料電池用電解質膜における多層構造の設計や評価技術に貢献することが期待されます。
 

 

タイトル: A Simplified Measurement Method for Gas Permeability in Multilayer Polymer Electrolyte Membranes

著者: Fukaya, N., Al Rasyid Gautama, Z., Suzuki, T., Sasaki, K., Nishihara, M

掲載誌: Journal of Power Sources

掲載日: 2026年2月9日

https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2026.239546