当社の神保智彦が、トヨタ自動車 未来創生センターと共同で行った研究成果が、2026年度計測自動制御学会「論文賞」*を受賞しました。
対象論文: Warped Matrix-variate Gaussian Processes with Structured Kernels for Multi-step-ahead Driving Behaviour Prediction
受賞者: 高野 靖也(トヨタ自動車)、神保 智彦(豊田中央研究所)
掲載紙: SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
https://doi.org/10.1080/18824889.2025.2455222
受賞日: 2026年9月16日
気象条件によって変動する再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、車両のバッテリーを活用した仮想発電所(VPP)を用いた電力の需給調整が必要となっています。
本論文では、VPPに参加する車両の行動による不確実性を考慮しながら、1週間先までの充電状態(SOC)を直接予測するため、SOCの時系列を「時間帯×曜日」の行列値時系列データとして表現し、その構造を確率的にモデル化する行列変量ガウス過程(Gaussian Process: GP)を提案しました。行方向と列方向に異なるカーネル(共分散関数)を設計することで、従来体系的に扱われていなかった両軸の特徴を考慮する枠組みを構築しました。
また、各軸のカーネルを個別に解釈することで、車両の行動特性を捉えることもでき、100台の実車データを用いた評価では、従来法と比較して予測精度が改善するとともに、車両の行動特性に応じたクラスタリングが可能であることを示しました。
本研究により、車両ごとのSOC予測に加え、行動特性に応じた車両群の把握が可能となり、VPPの電力需給調整への活用が期待されます。
* 計測自動制御学会が関与する科学技術の分野において、学問技術の発展に寄与が大きい論文の著者に対し贈呈される賞。概要はこちら