当社の小宅教文らが行った研究成果が、 Carbon Capture Science & Technologyに掲載されました。
世界的な温暖化対策の進展には、排出削減に加えて、排ガスからCO₂を回収して再利用する技術の普及が求められています。特にセメントや鉄鋼など排出削減が難しい産業では、CO₂回収・利用技術の高効率化が重要な課題です。このうち、固体吸着材を用いるCO₂回収は運転の柔軟性に優れますが、従来の真空・温度スイング吸着(VTSA)プロセスでは、吸着材の性能を十分に活用できないことや、 CO₂脱離時に供給する水素を十分に有効利用できないこと、高い処理能力と省エネルギー化の両立が難しいことが課題でした。
本研究では、吸着塔を吸着時と脱離時の両方で直列接続する「カスケードVTSA」と、CO₂をメタンへ変換するメタネーション反応を組み合わせた新しいプロセスを提案しました。脱離時には段階的に水素を利用するとともに、メタネーションの反応熱を吸着材のCO₂脱離に活用します。その結果、シミュレーションでは従来方式の4倍の処理能力においても95%以上のCO₂回収率を維持できる可能性を示しました。また、模擬ガスを用いた実験装置で98.9%のCO₂回収率を達成し、提案したプロセス構成の有効性を確認しました。
本成果は、CO₂回収と燃料製造を一体化したエネルギー効率の高い炭素循環システムへの貢献が期待されます。
タイトル: High-productivity, Energy-efficient CO2 Capture via a Cascaded VTSA System Integrated with Methanation
著者: Oyake, T., Yamamoto, S.
掲載誌: Carbon Capture Science & Technology
掲載日: 2026年4月23日