46巻1号 (2015.3)
特集
金属加工
Part Ⅰ.特集
特集概要
論文
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pages 1-16
池畑秀哲、田中浩司、高宮博之、水野浩行、島田岳幸
肌焼き鋼の真空浸炭組織を詳細に調査し、シミュレーションの結果と比較することにより、その粒界θの成長・固溶速度のモデル化を検討した。その結果、浸炭/拡散過程におけるC濃度および粒界θ量の分布を精度良く計算予測する新しいモデルを開発した。
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pages 17-26
八百川盾、岩田靖、天野憲広、中道隆
鋳造やダイカストの分野では鋳造条件や鋳造方案の検討のために凝固解析を用いている。本論文では、改良温度回復法に基づく簡便な計算スキームでAl-Si共晶系合金の共晶凝固時の過冷を計算できる新しい凝固解析方法について述べている。
【日本語関連論文】
・八百川盾 他, "凝固速度の影響を考慮した共晶組成 Al-Si合金の過冷凝固解析", 鋳造工学, Vol. 84, No. 4 (2012), pp. 185-192. -
4. Stamping Simulation for Surface Deflection of Automotive Outer Panels
プレス成形に伴う面ひずみの予測技術(1,020kB)
pages 27-32
岩田徳利、岩田隆道、新原正倫、竹田研一
当り付けを考慮することができる計算手法を提案した。 この手法を用いた方法に計算結果は、フェンダーの面ひずみの測定結果と、その範囲および値においてほとんど一致した。従って、当り付け工程を検討するために、提案手法は実用的であることを示すことができた。
【日本語関連論文】
・一条尚樹 他, "プレス成形に伴う面ひずみ評価技術および予測技術の開発", 塑性と加工, Vol. 54, No. 628 (2013), pp. 421-425. -
pages 33-41
与語康宏、岩田隆道、上山道明、澤村政敏、岩田徳利、石川孝司
大ひずみ域の応力ひずみ曲線を測定することを目的として2つの手法を開発した。一つは薄板を対象としたリング圧縮試験であり、塑性異方性を評価しつつ、ひずみ1.0まで応力ひずみ曲線を測定可能である。もう一つは、バルク材を対象とした高圧ねじり試験であり、ひずみ10.0まで応力ひずみ曲線を測定可能である。
【日本語関連論文】
・岩田隆道 他, "リング圧縮試験の薄板形状への適用方法", 塑性と加工, Vol. 54, No. 632 (2013), pp. 836-840.
・岩田隆道 他, "塑性異方性を考慮した高張力鋼板と軟鋼板の変形抵抗測定", 塑性と加工, Vol. 54, No. 632 (2013), pp. 841-845.
Part II.
スペシャルレビュー
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6. Current Status of Power Device Development
最近のパワーデバイス開発動向(918kB)
pages 43-56
加地徹
Si、SiCおよびGaNパワーデバイスの開発の現状を解説する。Siパワーデバイスに関して、最近のデバイス構造およびオン抵抗の理論的限界について議論する。またSiC,GaNパワーデバイスに関し、現状性能と、解決すべき課題について述べる。
論 文
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pages 57-63
伊藤晃太、松井崇行、飯塚英男
共鳴格子を用いた光伝搬と熱輻射の制御について報告する。非対称な回折格子を用いて、特異な光の反射・透過を実現した。また、誘導モードを特定基板上の表面波と結合し、熱輻射を制御した。
短 報
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8. High-density Magnetic Composite for Reactor in Hybrid Vehicle
HVリアクトル用高性能圧粉磁心(687kB)
pages 65-67
服部毅、杉山昌揮、岸本秀史、齊藤貴伸
ハイブリッド車の昇圧コンバータ用リアクトルに使用される磁性部品を対象に、高性能圧粉磁心を開発した。擬球状粉末の採用、耐熱絶縁皮膜技術に加えて、高密度成形技術を適用することで、高い磁束密度と低損失の両立が可能となった。この結果、従来の電磁鋼板と同等の磁気特性を有し、大幅なコスト低減を実現した。
【日本語関連論文】
・杉山昌揮 他, "車載リアクトルコア用高密度・低損失圧粉磁心の開発", トヨタ・テクニカル・レビュー, Vol. 59, No. 229 (2013), pp. 75-80.
・服部毅 他, "車載リアクトル用高密度・低損失圧粉磁心の開発(1)", 粉体粉末冶金協会講演概要集 平成21年度秋季大会 (2009), p. 99.
・武本聡 他, "車載リアクトル用高密度・低損失圧粉磁心の開発(2)", 粉体粉末冶金協会講演概要集 平成21年度秋季大会 (2009), p. 100.
・岸本秀史 他, "車載リアクトル用高密度・低損失圧粉磁心の開発(3)", 粉体粉末冶金協会講演概要集 平成21年度秋季大会 (2009), p. 101.