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トポロジカル絶縁体を用いて熱の拡散方向を制御

当社の舟山啓太らが京都大学と共同で行った研究が Communications Physics に掲載されました。

熱や粒子が物質中に拡がっていく過程を拡散と呼びます。金属板の中心を温めると熱が全方向に拡がるように、拡散を特定の方向を制御することは一般に困難だとされてきました。一方で、拡散の方向を制御できれば、廃熱を有効活用する熱回収・輸送システムなどの領域で革新的な機能向上をもたらし得ると期待されています。
本研究では、「トポロジカル絶縁体」と呼ばれる量子現象から着想を得た、六角形の単位格子を用いた拡散の方向性制御手法を提案しました。単位格子を平面状に並べた周期構造体には特徴的な温度分布が生じます。この温度分布によって単位格子に流入・流出する熱流を縦あるいは横方向のいずれかに限定でき、その結果、熱流の上流/下流では、時間経過によって温度が低下/上昇するような分布が生じることを明らかにしました。この手法は熱の拡散制御だけでなく、他の拡散現象への応用も期待できます。

タイトル: Selectable Diffusion Direction with Topologically Protected Edge Modes
著者: Funayama, K., Hirotani, J., Miura, A., Tanaka, H.
掲載誌: Communications Physics
掲載日: 2023年12月20日
https://doi.org/10.1038/s42005-023-01490-9

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