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水中で水素を発生せずCO2をCOに変換する分子触媒を実現

当社の鈴木登美子が東京理科大学と共同で行った研究が Chemical Communications に掲載されました。

太陽光を活用して水とCO2から有用な化合物を合成する人工光合成の技術は、地球温暖化の要因の一つとされるCO2を有効活用できることから、カーボンニュートラル社会を実現するうえで重要な位置づけにあります。人工光合成には、光触媒に太陽光を吸収させて高エネルギーの電子を得ることで、水中でCO2還元反応を起こす手法がありますが、電子エネルギーが水素イオンの還元による水素の生成反応に優先的に使われてしまい、肝心のCO2還元反応の効率が悪いという課題がありました。
本研究ではこうした課題を解決するため、CO2の還元反応を促進する作用を持つ水溶性の錯体分子触媒を開発しました。この触媒は水素生成反応を抑制し、ほぼ100%の生成物選択率でCO2を有用な化学原料であるCOに変換するという、世界に例を見ない特性を持ちます。この新たな触媒を光触媒と組合せることで、太陽光を用いた高効率な人工光合成システムが実現できます。

タイトル: Highly Selective CO2 Electrolysis in Aqueous Media by a Water-soluble Cobalt Dimethyl-bipyridine Complex
著者: Suzuki, TM., Nagatsuka, K., Nonaka, T., Yamaguchi, Y., Sakamoto, N., Uyama, T., Sekizawa, K., Kudo, A., Morikawa, T.
掲載誌: Chemical Communications
掲載日: 2023年9月20日
https://doi.org/10.1039/D3CC03940D

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