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メッシュを用いず、誤差を自動で評価可能な、偏微分方程式の新計算手法を開発

当社の井上大輔らが東京大学と共同で行った研究が「Journal of Scientific Computing」に掲載されました。
気候変動の予測、ロボットの経路計画、金融市場のリスク管理など多岐にわたる課題を解く鍵として、コルモゴロフ偏微分方程式と呼ばれる、数理モデルの計算が重要視されています。従来の計算方法では、計算領域をメッシュで細分化するため大規模な問題では計算時間が増大してしまうことと、解いた結果の信頼性は別途解析することでしか評価できず、条件が変わるたびに解析しなおす必要がある、といった2つの課題がありました。
本研究では、モンテカルロ法とガウス過程回帰という異なる手法を組み合わせることで、これら2つの課題を同時に解決する新たな計算手法を提案しました。モンテカルロ法は乱数を用いてシミュレーションを行うため大規模な問題をメッシュに分割せず扱うことができます。また、ガウス過程回帰により、各点で得られた解を滑らかにつなぐと同時に、つなげた結果の信頼性を定量的に取得することを可能としました。広範な数値実験による検証の結果、提案手法が従来法よりも高い精度と堅牢性を示すことが確認されました。 
今回提案した手法は現実世界の複雑な問題を柔軟に解析することを可能にし、安全・効率的な社会システムの設計に寄与します。 

タイトル: An Uncertainty-aware, Mesh-free Numerical Method for Kolmogorov PDEs
著者: Inoue, D., Ito, Y., Kashiwabara, T., Saito, N., Yoshida, H.
掲載誌: Journal of Scientific Computing
掲載日: 2025年3月24日
https://doi.org/10.1007/s10915-025-02846-9

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