「可視光型光触媒を用いた車室内衛生環境の向上に向けた基礎研究」が
第74回自動車技術会 論文賞を受賞
当社の研究者が、第74回(2024年度)自動車技術会 論文賞を受賞しました。受賞情報はこちら。
本研究は、コロナ禍における抗菌ニーズの高まりを受け、可視光応答型光触媒の一つである銅担持・窒素ドープ型酸化チタン(V-CAT®、以下、本光触媒 )の車室内への適用可能性の検討を行い、短時間で抗菌性を発揮すること、およびその作用メカニズムを明らかにしました。
本光触媒の車室内適用要件の一つに効果の即効性が挙げられます。そのために小スケールかつ短時間評価に適した系を新たに構築しました。そして車室内で多用される樹脂材において、本光触媒が短時間(5~60分)で抗菌性を発揮することを明らかにしました。
さらに、その作用メカニズムとして、本光触媒が強力な酸化・殺菌力を有する活性酸素の一種(ヒドロキシルラジカル)を継続的に発生すること、そして生きた菌体の観察により、菌体に物理的損傷を与えることを明らかにしました。
【論文情報】
タイトル: 可視光型光触媒を用いた車室内衛生環境の向上に向けた基礎研究
著者: 米倉円佳*1、中曽根光*1、佐伯周*1、青木良文*1、村本伸彦*1 ( *1:豊田中央研究所)
掲載誌: 自動車技術会論文集, Vol.53, No.2
https://doi.org/10.11351/jsaeronbun.53.278
自動車技術会賞は、自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に、自動車技術における多大な貢献・功績に対して贈られるものです。