受賞

2024年度 日本機械学会賞(論文)を4件受賞

当社の研究者らが行った研究が、2024年度日本機械学会賞(論文)を受賞しました。
この賞は、機械工学と工業の発展を奨励することを目的として、優秀な論文に贈られものです。
受賞情報と論文の概要はこちら

【受賞論文①】
タイトル: Axis-symmetric Diesel Spray Flame Model Coupled with Momentum Flux Distribution Measurement and Improved Soot phi-T Map
著者: 冬頭 孝之*1、政所 良行*1、田北 侑己*2、梅原 努*3( *1:豊田中央研究所、*2:デンソー、*3:豊田自動織機)
掲載誌: International Journal of Engine Research
https://doi.org/10.1177/14680874231183768

本論文では、ディーゼル機関から排出される煤(soot)を低減するための燃料噴射ノズルの研究開発ツールとして、改良soot φ-Tマップと噴霧内部運動量分布計測とを組み合わせた軸対称ディーゼル噴霧火炎モデルを構築しました。
独自の手法により運動量分布から当量比や速度を算出可能とし、soot生成・酸化領域を可視化。排気ガス再循環による酸素濃度低下がsoot生成量を増加させる理論的根拠を示し、ノズル設計ツールとして活用されています。

【受賞論文②】
タイトル: パルプモウルド製ヘルムホルツ共鳴器によるEV低速走行時の耳位置騒音低減
著者: 中野 幸人*1、富田 直*1、瀬木 真琴*2、西村 拓也*2( *1:豊田中央研究所、*2:トヨタ車体)
掲載誌: 日本機械学会論文集
https://doi.org/10.1299/transjsme.21-00395

本論文では、電気自動車の低速走行時に発生する約230Hzの耳障りな騒音を低減するため、植物由来のパルプモウルド製ヘルムホルツ共鳴器を開発しました。数値解析と実験により、タイヤ空洞共鳴が騒音源であることを特定し、共鳴器の設置により最大13.8dBの騒音低減を実証。車室内への応用でも有効性が確認され、環境配慮型騒音対策としての実用性が示されました。

【受賞論文③】
タイトル: 永久磁石を用いた捩り振動低減装置のトルク制御
著者: 宮部 友博*1、米澤 紀男*1、難波 雅史*1、長田 育充*2( *1:豊田中央研究所、*2:元豊田中央研究所)
掲載誌: 日本機械学会論文集
https://doi.org/10.1299/transjsme.22-00148

本論文では、ダウンサイジングエンジン特有の大きなトルク振動を低減するため、ネオジム磁石を用いた周期反転ばねに着目しました。2個1組の周期反転ばねを用い、カウンタートルクの振幅と位相を制御することで振動を相殺します。シミュレーションと実機試験により、駆動軸の振動を最大36dB低減できることを確認し、周期反転ばねのトルク制御方法が有効であることを示しました。

【受賞論文④】
タイトル: Design and Fabrication of an Automotive Frame Model Leveraging Anisotropic Topology Optimization and Tailored Fiber Placement
著者: 岩野 吉宏*1、和田 敦*1、髙山 亮平*2、田仲 正明*2、Yuqing Zhou*3、大橋 功*4、吉川 勝治*4、川本 敦史*5、野村 壮史*5( *1:トヨタ自動車、*2:トヨタカスタマイジング&ディベロップメント、*3:Toyota Research Institute of North America、*4:TISM、*5:豊田中央研究所)
掲載誌: Mechanical Engineering Journal
https://doi.org/10.1299/mej.24-00008

本論文は、 Tailored Fiber Placement(TFP)技術を用いた可変軸複合材料(VAC)による自動車リアフレームの設計・製作・評価を実施しました。異方性トポロジー最適化とチューリングパターンにより繊維配向を最適化し、軽量かつ高剛性な構造を実現。実自動車部品を対象に、試作・実験によりアルミ製フレーム比約15%の軽量化と、全荷重条件において最大変位95%以下を達成し、CO削減にも貢献する次世代モビリティ技術の可能性を示しました。

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