当社の論文がACS Applied Materials & Interfacesに掲載
当社の馬原優治らが行った「リチウムイオン二次電池用コバルトフリー正極材料」に関する論文が、 ACS Applied Materials & Interfacesに掲載されました。
現在、リチウムイオン二次電池の正極材料にはコバルトが用いられていますが、資源リスクが高い元素となってきています。
そのため、サプライチェーン全体にわたって安心・安全が担保された電池を世に送り出すため、コバルトを用いない正極材料が求められています。本論文では、安価で豊富に存在する「マンガン」を用いた正極材料に着目し、そこにフッ素を加えることで、高容量・長寿命なコバルトフリー正極材料となることを見出しました。放射光を用いた高度解析技術を用いて、充放電中のミクロ・マクロレベルの結晶構造変化を観察することで、本材料は繰り返し充放電を行った場合でも結晶構造が維持され、劣化耐性を持つことを見出しました。本成果は、電池の高容量化・低コスト化、およびサプライチェーンリスク低下への貢献が期待されます。
タイトル:How Fluorine Introduction Solves the Spinel Transition, a Fundamental Problem of Mn-based Positive Electrodes
著者:Mahara, Y., Nagasako, N., Oka, H., Kondo, Y., Kosaka, S., Nakano, H., Nonaka, T., Makimura, Y.
掲載誌:ACS Applied Materials & Interfaces
掲載日:2022年5月17日
https://doi.org/10.1021/acsami.2c02868