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当社の論文がCommunications Physics に掲載

当社の矢次健一らが筑波大学と共同で行った「電気回路を用いたトポロジカル相におけるバルク・エッジ対応の観測」に関する論文が、Communications Physicsに掲載されました。

2016年、物質におけるトポロジカル相の理論的発見がノーベル物理学賞を受賞しました。本研究ではバルク・エッジ対応と呼ばれるトポロジカル相の基礎概念を、電気回路を用いることで初めて実験的に観測しました。トポロジカル物質では境界や端(エッジ)付近に局在状態(トポロジカルエッジ状態)が生じることが、すでに実験的に観測されていました。一方で、物質内部(バルク)においてはトポロジカル数と呼ばれる不連続数が存在しますが、これを実験で直接観測することは、これまでできませんでした。今回、複数の結合共振回路のインピーダンススペクトルの解析を行うことで、トポロジカルエッジ状態とバルクのトポロジカル数との対応(バルク・エッジ対応)の観測に成功しました。この電気回路を用いた手法は、トポロジカル現象を理解するための有用なプラットフォームであり、エネルギー伝送などの新たな機能性デバイスへの応用が期待されます。

タイトル:Observation of Bulk-edge Correspondence in Topological Pumping Based on a Tunable Electric Circuit
著者:Yatsugi, K., Yoshida, T., Mizoguchi, T., Kuno, Y., Iizuka, H., Tadokoro, Y., Hatsugai, Y.
掲載誌:Communications Physics
掲載日:2022年7月9日
https://doi.org/10.1038/s42005-022-00957-5

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