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セミに学ぶ 抗ウイルス性ナノ柱状銅薄膜

当社の重藤啓輔らが行った研究が ACS Applied Materials & Interfaces に掲載されました。

新型コロナウイルスによる感染症は私たちの生活に大きな影響を与えました。今後も懸念される変異ウイルスの出現に備えるため、種類を問わずウイルスを不活化できる抗ウイルスコーティング材が注目されています。本研究では、セミの羽にある突起がバクテリアに対して機械的殺菌作用を示すことに着想を得て、ナノサイズの柱状構造が緻密に配列された銅薄膜を作製しました。銅のナノ構造と酸化状態を詳細に調べることで、銅は酸化銅よりも高い効果を示すことを初めて明らかにしました。さらにナノ柱状銅薄膜は1カ月間大気に晒しても効果を維持することがわかりました。この結果は、ナノ柱状銅薄膜が次世代の抗ウイルスコーティング材として有望であるだけでなく、金属とその酸化物を用いた抗ウイルス材料の新しい設計指針に繋がることが期待されます。
本研究のイラストが雑誌の表紙の一つに使われています。
https://pubs.acs.org/toc/aamick/15/16

タイトル: Durability and Surface Oxidation States of Antiviral Nano-columnar Copper Thin Films
著者: Shigetoh, K., Hirao, R., Ishida, N.
掲載誌: ACS Applied Materials & Interfaces
掲載日: 2023年3月22日
https://doi.org/10.1021/acsami.3c01400

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