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チューリング・パターンを用いた設計アルゴリズムによってソフトロボット試作に成功

当社の田中真人らがToyota Research Institute of North America(TRINA)にてジョージア工科大学と共同で行った研究が Science Advances に掲載されました。本研究はトヨタ自動車株式会社 未来創生センターの協力を得て実施されました。

インフレータブル構造は、膜面を空気圧で膨張させて所望の形状をつくる展開構造物の一種です。従来の、複数部品を組み合わせて変形させるリンク機構とは異なり、膜面自体が柔らかく変形して構造を変えることができるため、次世代のモノづくり技術として期待されています。本研究では、膜面の異方性変形をトリガーにして所望の形状に変形する設計手法を考案しました。独自の最適化手法を用いて膜面の異方性材料分布を決定しますが、通常の3Dプリンターでは異方性材をそのまま印刷することは困難です。そこで、異方性材を硬・軟材料に2値化したチューリング・パターンの模様に変換してこの問題を解決しました。チューリング・パターンは、自然現象のパターン形成をモデル化したもので、反応拡散方程式によって導かれます。光造形型3Dプリンターで試作し、本設計の妥当性を確認しました。本設計アルゴリズムを使用することで多様な可変構造を制作することが可能になり、医療やロボット工学などへの応用が期待されます。


タイトル: Turing Pattern–based Design and Fabrication of Inflatable Shape-morphing Structures
著者: Tanaka, M., Montgomery, SM., Yue, L., Wei, Y., Song, Y., Nomura, T., Qi, HJ.
掲載誌: Science Advances
掲載日: 2023年2月10日
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.ade4381#

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