共振回路をカゴメ格子状に配置しトポロジカル状態を観測
当社の矢次健一らが行った研究が Scientific Reports に掲載されました。
電磁波などの波動を制御する新しい手法として、物質におけるトポロジカル相理論の活用がさかんに研究されています。これまでd次元のトポロジカル絶縁体に対しては(d-1)次元の局在状態が存在することが知られていましたが、近年、高次トポロジカル絶縁体と呼ばれる、(d-2)次元の局在状態を持つトポロジカル絶縁体が注目を集めています。しかし、その実現と実験的探究においては、パラメーターを自在に制御することが可能な実験システムが望まれていました。本論文では、磁気結合した共振回路を2次元のカゴメ格子状に配置することで、0次元に局在したトポロジカル状態を観測することに成功しました。本システムでは、共振回路間の距離によってトポロジカル相を制御することが可能です。提案したシステムは、カゴメ格子のトポロジカル特性に関する実験的な探究だけでなく、ワイヤレス電力伝送の新しい原理としても期待されます。
タイトル: Higher-order Topological Corner State in a Reconfigurable Breathing Kagome Lattice Consisting of Magnetically Coupled LC Resonators
著者: Yatsugi, K., Pandarakone, SE., Iizuka H.
掲載誌: Scientific Reports
掲載日: 2023年5月23日
https://doi.org/10.1038/s41598-023-35509-6