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かご状ポーラスシリコンの大量合成に成功 リチウムイオン二次電池の大容量化を可能に

当社の川浦宏之らが行った研究が ACS Applied Materials & Interfaces に掲載されました。

電気自動車のさらなる普及のためには航続距離の拡大が急務であり、そのためにはエネルギー貯蔵デバイスである、リチウムイオン二次電池の容量拡大が必須となっています。シリコン負極は、資源の豊富さと比較的低い作動電位を示すため、現在使われている黒鉛負極に比べて約10倍の容量増加が期待されます。しかしシリコンは充放電時の体積変化が大きいため、電池の寿命が短くなることが課題でした。本研究では、粉末冶金で工業的に使用されているガスアトマイズ法を用いて、アトマイズーアルミシリコン合金粉末を前駆体として、酸によりアルミを溶出したポーラスシリコンを創製しました。アトマイズーアルミシリコン合金粉末の組成の最適化を図り、リチウムを大量に挿入することが可能な、かご状ポーラスシリコンを合成する手法確立に成功しました。これを活物質に用いた電池は、現在のものよりも大容量で電池寿命に優れていることを明らかにしました。この成果は車載用リチウムイオン二次電池の高性能化に貢献することが期待されます。

本研究成果はカナダのリサーチ会社 Advances in EngineeringのウェブサイトでKey Scientific Articleとして紹介されました。
https://advanceseng.com/advancing-energy-storage-breakthrough-porous-silicon-anodes-next-generation-lithium-ion-batteries/

タイトル: Scalable Synthesis of Porous Silicon by Acid Etching of Atomized Al–Si Alloy Powder for Lithium-ion Batteries
著者: Kawaura, H., Suzuki, R., Kondo, Y., Mahara, Y.
掲載誌: ACS Applied Materials & Interfaces
掲載日: 2023年7月14日
https://doi.org/10.1021/acsami.3c05521

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