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機械のダメージを抑える有機系オイル添加剤の分子設計技術

当社のパトリック・アラン・ボノーらが行った研究が Tribology International に掲載されました。

歯車や軸受などの金属部品の摩耗を抑えて機械の寿命を延ばすことは、サスティナブルな社会を実現するうえで重要な課題です。そのため潤滑オイルには、金属の摩耗を防ぐとともに環境に優しい、あらたな有機系の添加剤が求められていますが、添加剤の分子設計には多くの実験的な試行錯誤が伴っていました。本論文では、シミュレーションによる分子設計を可能にすることをめざして、有機系添加剤の鉄表面への吸着しやすさを予測する計算モデルを作成し、分子末端基が吸着性にどのように影響するかを明らかにしました。そして、シミュレーションによって吸着性が良いと予測された分子を用いて摩擦試験をおこなった結果、鉄の表面に吸着膜が早く形成され、摩耗を抑制することが実証されました。本研究で得られた知見は、EVなどさまざまな機械に使われるオイル用添加剤の設計に活用されることが期待されます。

タイトル: Improving the Adsorption Strength of Amine-based Organic Additives for Reducing Wear
著者: Bonnaud, PA., Moritani, H., Kinjo, T., Sato, N., Tohyama, M.
掲載誌: Tribology International
掲載日: 2023年6月8日
https://doi.org/10.1016/j.triboint.2023.108675

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