金属有機構造体の活用に向けたゲル形成条件の解明
当社の宮嵜伊弦らが行った研究が Journal of Materials Chemistry A に掲載されました。
金属イオンと有機配位子からなる金属有機構造体(MOF)は、非常に多くの細孔を持つ多孔質材料として知られ、ガス吸着材や触媒など様々な用途への応用が期待されています。MOFはパウダーとして合成されることが一般的ですが、実際の用途で活用するためには一定の量を持つ塊(バルク)にすることが必要です。近年、ゲル化させたMOFを焼成することで強度のあるMOFのバルクが得られることが報告されていますが、MOFをゲル化させるための統一的な指針がなく、実用化に向けた課題となっていました。
本研究では、様々な条件で並行的に合成反応を行うハイスループット実験を実施し、新たに複数のMOFのゲル形成条件を明らかにしました。さらに、この実験から得られた大規模なデータを用いて統計モデリングを行うことで、ゲル形成に影響を及ぼす因子 を明らかにしました。これらの結果はMOFの実用化に向けた技術開発に寄与することが期待されます。
タイトル: High-throughput Screening and Characterization of Novel Zeolitic Imidazolate Framework Gels
著者: Miyazaki I., Masuoka, Y., Oh-Ishi, K., Setoyama, N., Umehara, M.
掲載誌: Journal of Materials Chemistry A
掲載日: 2024年3月6日
https://doi.org/10.1039/D3TA06719J