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    ~氷点下環境での性能向上に大きく貢献~
ニュースリリース

世界初、中性子で車載用燃料電池内部の水の凍結過程を観察
~氷点下環境での性能向上に大きく貢献~

当社と日本原子力研究開発機構(JAEA)J-PARCセンター、総合科学研究機構(CROSS)の研究グループは、大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF)中性子イメージング装置「RADEN」を用い、大型環境模擬装置による氷点下の環境で、大型燃料電池内部で水と氷を識別する技術を開発しました。そして発電中の車載燃料電池内部で水が凍結し、発電性能が低下する過程を明らかにしました。今後、車載用燃料電池の更なる性能向上に貢献する技術への発展が期待されます。リリース本文は、こちらをご覧ください。

【研究のポイント】
◆市販の燃料電池自動車は、氷点下で始動する際、発電に伴い発生する熱を利用して凍結による発電性能の低下を防いでいますが、より効率的な始動方法の開発には、氷点下環境下で発電中の燃料電池内部を直接観察し、水の凍結挙動を把握する必要があります。 ◆中性子ビームが水と氷を区別できる特徴を利用して、大面積パルス中性子ビームと大型環境模擬装置を組み合わせることで、氷点下における車載用大型燃料電池内部の水と氷を識別して可視化する技術を開発しました。
◆その結果、発電中の車載燃料電池内部で水が凍結し、発電性能が低下する過程を明らかにすることができました。
◆この成果により、氷点下における燃料電池の始動方法の最適化、材料・流路のコンセプトの立案とその検証など、燃料電池の研究開発における様々な展開が期待されます。

【論文情報】
タイトル: Experimental Visualization of Water/Ice Phase Distribution at Cold Start for Practical-sized Polymer Electrolyte Fuel Cells
著者: 樋口雄紀*1 、吉宗航*1 、加藤悟*1 、日比章五*1 、瀬戸山大吾*1 、伊勢川和久*1 *3 、松本吉弘*2 、林田洋寿*2 、野崎洋*1 、原田雅史*1 、深谷徳宏*1 、鈴木孝尚*1 、篠原武尚*3、長井康貴*1  
*1: 豊田中央研究所、 *2:総合科学研究機構、 *3:日本原子力研究開発機構
掲載誌: Communications Engineering
掲載日: 2024年2月19日(オンライン版)
https://doi.org/10.1038/s44172-024-00176-6

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