メッセージ

実際技術と学術的研究がつねに共に

日本の自動車産業の礎を築くことに貢献した豊田喜一郎は、実際技術と学術的研究が表裏一体であることをつねに意識していました。創業当時、産業で国に報いる、 産業報国を謳うトヨタにとって、裏打ちとなる学術的研究が非常に重要であり、いかなる事業環境においてもつねに事業の脇に置き、 経営者でありながら、生涯、研究に情熱を注ぎました。
1960年にトヨタグループの共同出資により設立された豊田中央研究所は、 産業をつくるという志を同じくした企業グループの中に存在しており、これからも変わらない位置づけです。

代表取締役CEO 古賀伸彦-写真

代表取締役CEO 古賀伸彦

2021年のCOP26において、産業革命以降の平均気温の上昇を1.5℃以内とする目標が国際合意として示されました。私たちトヨタグループにおいても、自動車のライフサイクル全体で2050年のカーボンニュートラルの実現を目標に掲げています。世界の様々な地域や人々の生活を支える、自動車やモビリティに関わる産業全体を再構築する時代を迎えている今こそ、そのために必要とされる実際技術と学術的研究を築き上げていくことが私たちの使命です。

代表取締役所長兼CRO 中西広吉-写真

代表取締役所長兼CRO 中西広吉

有用な要素技術の確保と革新

現在、電動車のパワーモジュールやモータの効率を飛躍的に高める技術や、自動車の生産においてカーボンニュートラルを実現するため、再生可能エネルギーを効率的に活用する技術の開発を進めています。また量子ビーム解析による原理の解明に基づいた二次電池や燃料電池の開発、より環境負荷の低いモノづくりに関する研究などにも取り組んでいます。
私たちが培ってきた科学的な知見と様々な要素技術とを連関させることで、これからの時代に求められる新たな実際技術を生み出し、その成果をトヨタグループを通じて社会に提供していきます。

新しい領域へチャレンジ 写真01

新しい概念と技術の創出

社会的な変革が進む一方で、科学技術の非連続的な進化が様々な分野で急速に起こりつつあります。
私たちはデータサイエンスや量子コンピューティングに代表される計算科学の新たなパラダイムに基づき、大規模なシステムの設計や、原子間の相互作用の解析など、これまで適用が困難であった様々な産業応用上の問題に対してブレークスルーを生み出すことにチャレンジしています。他には身体機能や認知機能を模擬することで人々の感情や心身の状態を仮想空間上で再現するシミュレーション技術や、目に見えないナノスケール以下の世界で生じる特異な性質を応用した超高感度なセンサーデバイスの研究など、技術の壁を超えるフロンティア集団としての取り組みを強化していきます。

新しい領域へチャレンジ 写真02

ネットワークと俊敏さ

人の創造力こそが、社会や科学技術を持続的に発展させていく原動力になります。そして幅広い研究領域に取り組んでいくには人のネットワークが必要となります。一人ひとりがあらゆる壁を越え、 つながり合い、失敗から学び、改善することができる、敏捷性のあるネットワークを作ることが大切です。私たちはそういうことに長けた人、喜びを感じられる人に集まってもらいたい、そういう人たちが楽しく仕事ができるフィールドをここに作っていきます。

当社の活動に、ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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