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当社の論文がApplied Surface Scienceに掲載

当社の磯村典武らが行った「自己吸収の影響を受けないX線吸収分光法」に関する論文が Applied Surface Science に掲載されました。

X線吸収分光は、物質の状態に関する詳細な情報が得られることから、学術だけでなく産業界においても強力な分析ツールとして利用されています。ところが、表面の分析として蛍光X線を検出する場合、自己吸収と呼ばれる影響がスペクトルに歪みを生じさせ、化学状態の判別を難しくすることが問題となっていました。今回、K吸収端測定において、通常より低いエネルギーの蛍光X線を検出することによって、自己吸収の影響を避けることに成功しました。これは、大型放射光施設SPring-8のサンビームにて、高エネルギー分解能かつ低エネルギーX線測定が可能な検出器を用いたことによります。本手法は、分析の深さが同レベルのL吸収端測定に代わる方法となり、元素によっては難しかった原子構造の解析も可能にします。また、表面が平滑でない試料や粉末にも適用できることから、本成果はさまざまな実部品やカーボンニュートラルに向けた触媒などの解析や開発に貢献することが期待されます。

タイトル: X-ray Absorption Spectroscopy without the Self-absorption Effect by Detecting L-line Fluorescence at the K-edge
著者: Isomura, N., Kosaka, S., Takahashi, N.
掲載誌: Applied Surface Science
掲載日: 2022年 10月 5日
https://doi.org/10.1016/j.apsusc.2022.155198

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