システムのばらつきや多様な制御目標に依らない統一的な制御理論を構築
当社の伊藤優司らが京都大学と共同で行った研究が IEEE Transactions on Cybernetics に掲載されました。
ナノスケールデバイスなどのように、個体差や環境変化によりばらつきが生じるシステムを動作させるためには、ばらつきを考慮して制御パラメータを設計することが重要です。また従来は、限定的な制御目標しか扱えなかったという問題がありました。これに対して本研究では、さまざまな制御目標に対して最適なパラメータを設計することができる理論を構築しました。制御パラメータと制御目標の関係を一般化された形式で導出することで、多様な制御目標に応じてパラメータの最適化が可能となり、汎用性を向上させました。この成果は、ナノスケールデバイスの制御応用をはじめとし、将来複雑化していくシステムが持つ不確かさの問題を解決する基礎理論として位置づけられます。
タイトル: Stochastic Optimal Linear Control for Generalized Cost Functions With Time-Invariant Stochastic Parameters
著者: Ito, Y., Fujimoto, K., Tadokoro, Y.
掲載誌: IEEE Transactions on Cybernetics
掲載日: 2023年3月21日
https://doi.org/10.1109/TCYB.2023.3252673