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樹脂-金属の接合強度発現のナゾ解明に光

当社の菅沼義勇がケンブリッジ大学において行った研究が ACS Applied Materials & Interfaces に掲載されました。

近年、軽量化に資するマルチマテリアル構造の実現のために、あらゆる産業において、樹脂と⾦属の接合技術がますます重要になってきています。しかし、樹脂と金属の接合は、材料物性と接合強度との関係が不明瞭であるために、所望の接合強度を得ることがしばしば困難になっています。本論⽂は、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)またはマレイン酸変性iPP(iPP-g-MA)と、アルミニウムの⾃然酸化膜モデルである⽔酸化γ-Al2O3の接合体に着⽬し、樹脂のヤング率および官能基が接合体の引張強度に及ぼす影響について、分⼦動⼒学計算を⽤いて明らかにしました。その結果、界⾯剥離においても、樹脂のヤング率が⾼いほど引張強度が⾼くなることが分かりました。さらに、樹脂のヤング率が高いことが、iPP-g-MA 内の官能基(MA 基)の引張強度を向上させることも明らかにしました。

タイトル: Effect of Varying Stiffness and Functionalization on the Interfacial Failure Behavior of Isotactic Polypropylene on Hydroxylated γ-Al2O3 by MD Simulation
著者: Suganuma, Y., Elliott, JA.
掲載誌: ACS Applied Materials & Interfaces
掲載日: 2023年1月20日
https://doi.org/10.1021/acsami.2c19593

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