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無水プロトン電解質の機械学習力場を用いた伝導メカニズムの解明

当社の南沙央理らが行った研究が Journal of Materials Chemistry A に掲載されました。

カーボンニュートラルの実現に向けて、燃料電池の商用車への活用が注目されています。ホスホン酸系電解質は、商用車用燃料電池に求められる中温・低湿条件でのプロトン伝導を実現する可能性がある材料として期待されています。しかしそのプロトン伝導が何により支配されているのかが不明でした。
本研究では、第一原理計算の精度を維持したまま計算速度を3桁ほど向上できる機械学習力場を用い、複数の材料に対する数ナノ秒スケールの分子動力学計算を実施し、プロトン伝導のメカニズムを解明しました。プロトン伝導は、ホスホン酸間の水素結合の組み換えとホスホン酸の回転とが数十ピコ秒に1回の頻度で協奏的に起こることで実現する現象であり、この頻度が伝導速度を支配することが明らかになりました。この知見は高性能な無水プロトン伝導電解質の材料設計に役立つものと期待されます。

タイトル: Accelerating Anhydrous Proton Conduction via Anion Rotation and Hydrogen Bond Recombination: A Machine-learning Molecular Dynamics
著者: Minami, S., Jinnouchi, R.
掲載誌: Journal of Materials Chemistry A
掲載日: 2023年7月12日
https://doi.org/10.1039/D3TA03164K

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