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実測X線回折パターンから結晶構造を直接生成するアルゴリズム

当社のイ・ジュフイらが行った研究がnpj Computational Materialsに掲載されました。

私たちの身の回りにあるあらゆる材料の性質は結晶構造によって決まるため、新たな材料を開発するときに結晶構造を把握することは必要不可欠です。結晶構造の解析にはX線回折(XRD)という手法を用いるのが一般的です。すでに結晶構造が分かっている材料のXRDパターンはデータベースに登録されているため、新たな材料の結晶構造を調べる際にはまずデータベースの類似パターンを参考にします。しかし、新規で複雑な材料では比較対象になるデータが登録されていない場合があり、そうした際に結晶構造を決定することは難しい作業となっていました。本研究では、データベースの類似パターンと比較することなく、測定したXRDパターンから結晶構造を直接推定する手法を提案しました。“Evolv&Morph”と名付けたこの手法は進化的アルゴリズムと結晶モーフィングを応用したもので、実際に数十の材料系に適用したところその有効性が確認されました。この手法により新奇材料探索の加速が期待されます。

本論文に関連するコードを下記のサイトで公開しています。
https://github.com/ToyotaCRDL/EvolvMorph

タイトル: Creation of Crystal Structure Reproducing X-ray Diffraction Pattern without Using Database
著者: Lee, J., Oba, J., Ohba, N., Kajita, S.
掲載誌: npj Computational Materials
掲載日: 2023年8月5日
https://doi.org/10.1038/s41524-023-01096-3

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