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ガラスのランダムな構造が織りなす破壊現象の特殊性の解明

当社の大山倫弘が名古屋大学、大阪大学、東京大学と共同で行った研究が Physical Review Letters に掲載されました。

ガラスは粒子の集まりが結晶構造を作らずに固体化した状態であることが知られています。粒子が規則正しく結晶化した固体は一部を解析するだけで全体の特性を推測できるのに対し、ガラスには規則性がないため、その物理特性を解明することは長く基礎物理学上の課題とされてきました。一方で、ガラスの特性を解明することは、規則性のない中から法則を導き出すことと捉えることができ、様々な数理的難問を単純化したモデル系としても注目されています。
本研究では、大規模な分子シミュレーションを通じ、ガラスの破壊現象を解析しました。ガラスはある一定以上の力が加わると構造が破壊されて元に戻らなくなります。この一連の現象は「臨界現象*」の一つとして理解されてきましたが、解析の結果、ガラスの破壊は一般的な臨界現象には当てはまらない特有の性質を示すことが明らかになりました。ガラスが持つ物理特性の特殊性の一端を明らかにした本研究の結果は、様々な材料の振る舞いの理解に役立つだけでなく、機械学習をホワイトボックス化するための糸口となる可能性があります。

*臨界現象とは多くの系で観察される特異な振る舞いで、『ひとつの大きさの単位が現象を特徴づける』、『構成要素が磁石か分子かといった系の詳細には依存しない普遍性を示す』といった特徴があります。

タイトル: Scale Separation of Shear-induced Criticality in Glasses
著者: Oyama, N., Kawasaki, T., Kim, K., Mizuno, H.
掲載誌: Physical Review Letters
掲載日: 2024年4月3日
https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.132.148201

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