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資源量豊富な元素を用いた高効率なCO2電解システムを実現

当社の西哲平らが行った研究が ChemSusChem に掲載されました。

地球温暖化の原因とされるCO2を資源として活用する技術が、世界中で活発に研究されています。 CO2をCOなどの有用物質に電気化学的に変換する「 CO2電解」もその一つです。太陽電池と組み合わせたCO2電解は高い太陽光変換効率を示すことができますが、そのためには触媒に貴金属を使うほか、希少元素を用いた太陽電池が必要でした。また、カソード電極のCO2還元触媒がアノード電極から発生するO2と反応して失活するのを防ぐため、アノードとカソードをイオン交換膜で分離する必要があり、システムの構造が複雑化する要因となっていました。

本研究では、資源量が豊富な元素であるMnの錯体を用いたCO2電解システムを提案し、太陽光変換効率10%でCOへと変換することに成功しました。このMn錯体はCO2還元触媒として機能し、15%のO2を含む条件でも、 O2を含まない時と同レベルの性能を示すことを実証しました。 O2への耐性によってイオン交換膜を使う必要がなくなり、ガラス瓶をリアクターとして使えるようになります。また、このMn錯体は従来の貴金属触媒に比べて低い電圧で作動するため、市販のSi太陽電池と組み合わせて用いることができます。本研究はCO2を有用な有機物に変換する技術のさらなる普及に貢献すると期待されます。

タイトル: CO2-to-CO Conversion with Over 10 % Efficiency Using Earth Abundant System in a Single-compartment Reactor with Oxygen Tolerant Mn Complex Catalyst
著者: Nishi, T., Sakamoto, N., Sekizawa, K., Morikawa, T., Sato, S.
掲載誌: ChemSusChem
掲載日: 2024年7月17日
https://doi.org/10.1002/cssc.202401082

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