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黒鉛の特性を左右するエッジ面量をガス吸着によって算出する手法を提案

当社の岡秀亮がトヨタ自動車と共同で行った研究が Carbon に掲載されました。

炭素原子が規則的に配列した高結晶性の炭素材料は、身の回りの様々なデバイスに使われています。リチウムイオン電池の負極として広く用いられる黒鉛は代表的な炭素材料であり、炭素原子が六角形の格子状に配列した平面が層状に重なった構造を持ちます。各層はベーサル面、層に対して直角方向の表面はエッジ面と呼ばれ、活性部位であるエッジ面の割合は黒鉛の物性を考えるうえで特に重要です。しかし、黒鉛は重量当たりの表面積(比表面積)が小さく、さらに表面は結晶性の低い炭素層で被覆されている場合もあるため、従来の表面分析手法ではエッジ面を定量的に評価することが困難でした。

本研究では、ベーサル面にクリプトンガス分子が秩序的に吸着する挙動を利用することで、黒鉛表面のエッジ面割合を算出する手法を提案しました。黒鉛の比表面積とエッジ面割合を掛け合わせたエッジ面量とリチウムイオン挿入脱離反応の電荷移動抵抗は明瞭な相関関係を示し、本手法の有効性を明らかにしました。本成果は負極用黒鉛だけでなく、高結晶炭素材料のエッジ面を非破壊で定量する手法としての活用が期待されます。

タイトル: Gas Adsorption Analysis for Quantifying the Edge Sites of Graphite
著者: Oka, H., Setoyama, N., Matsuhara, S.
掲載誌: Carbon
掲載日: 2024年9月25日
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2024.119664

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