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トポロジカル導波路内の波の閉じ込めを周波数によって制御

当社の舟山啓太らが行った研究が Communications Physics に掲載されました。

電気、通信信号、音をはじめとする「波」の伝播を制御することは、低損失な電力・信号伝送や、エネルギー輸送といった技術につながります。波の伝播制御への貢献が期待されているのが「トポロジカル導波路」です。トポロジカル導波路は、トポロジカル絶縁体と呼ばれる量子現象から着想を得た人工結晶同士を接続したトポロジカル境界構造から成る導波路 で、無反射で高効率な波の伝播が可能と考えられています。一方で、トポロジカル導波路を低損失な信号伝送やエネルギー輸送に応用するには複数の導波路を一つのシステム内に集積することが必要となってきますが、 集積化によって導波路同士が近接し、導波路内の波が別の導波路に漏れ出る(結合)ことで、正しく信号やエネルギーが輸送できない問題 があることから、導波路内への波の閉じ込め(局在性)の制御技術が求められています。

本研究では、トポロジカル導波路を構成するトポロジカル境界 構造の違いが波の局在性に及ぼす影響について、微小な電気機械システムを用いて、理論と実験の両面から検証しました。その結果、人工結晶の角度を変えてトポロジカル境界の幾何学構造を工夫することで、周波数の違いによって導波路内の波の局在性 を制御できることが明らかになりました。トポロジカル導波路の機能設計や多機能化につながる本成果は、次世代の信号伝送回路や高効率エネルギー輸送/回収システムへの応用が期待されます。

タイトル: Quantum Valley Hall Effect-based Topological Boundaries for Frequency-dependent and -independent Mode Energy Profiles
著者: Funayama, K., Yatsugi, K., Iizuka, H.
掲載誌: Communications Physics
掲載日: 2024年12月19日
https://doi.org/10.1038/s42005-024-01899-w

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