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センサ間のネットワークが切断されても自己再構築できる電子皮膚

当社の尾崎貴志らが行った研究がNature Communicationsに掲載されました。

人間と触れ合い共存するロボットには、体表面の広範な部分で圧力や温度といった刺激を感じ取ることが必要です。その実現手段として、多数のセンサとそれらを接続する信号経路により皮膚機能を模倣する「電子皮膚(e-Skin)」が注目されています。一方で、電子皮膚をロボットの体表に取り付ける場合、衝撃や摩耗によってセンサや配線が損傷・切断するという課題があります。軽微な損傷を自己修復するような材料ベースの研究も行われていますが、大きな断裂の修復は困難でした。そのような場合には、断裂部を迂回するように信号経路を再構築することが求められます。しかしこれまで報告されている断裂検知・経路再構築システムでは高機能なプロセッサを用いており、多くの計算資源や高い消費電力が必要でした。

本研究では、信号経路が切断された際に損傷箇所を自動で検知して、信号経路を自律的に再構築(自己再ルーティング)する機能を持つ電子皮膚を開発しました。センサの各ノード単位で少数の論理回路だけを用いて構築している点が特徴で、センサ1ノードあたり約1.88 μWという極めて低い消費電力で機能します。電子皮膚が大きく傷ついても動作を継続できる本技術は、人間と自然に協働できるロボットシステムの実現への貢献が期待されます。

タイトル: Self-rerouting Sensor Network for Electronic Skin Resilient to Severe Damage
著者: Ozaki, T., Ohta, N., Fujiyoshi, M.
掲載誌: Nature Communications
掲載日: 2025年1月30日
https://doi.org/10.1038/s41467-025-56596-1

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