デジタルツインを用いたフォークリフト自動化技術
当社の大石航志らが行った研究が2025 IEEE International Conference on Robotics & Automation (ICRA2025) に採択されました。
物流業界では労働力不足や作業効率の向上が急務となっており、現場に数多く導入されているフォークリフトの自動化ニーズも高まっています。しかし、フォークリフトは多様な環境で使用されるため自動化が難しいことが知られています。特に人間が訓練によって身につけている操作技術を学習させるには、実環境で大量のデータを収集する必要があり、膨大なコストと時間がかかるという課題がありました。
本研究では、デジタルツインと強化学習を用いることにより、実データを用いない自動化手法を実証しました。現実世界を仮想空間に再現するデジタルツイン技術を活用し、フォークリフトの動作を詳細にシミュレーションすることで、仮想空間上でフォークリフトが自動でデータを収集して学習できる環境を構築しました。本技術を実環境において1/14スケールのフォークリフトに実装したところ、60%の成功率でパレットの搬送タスクを実行することができました。本研究は、デジタルツインと学習を融合したフォークリフト自動化の第一歩であり、今後の実サイズ機体へ向けた発展や他の産業ロボットへの応用が期待されます。
タイトル: Visual-Based Forklift Learning System Enabling Zero-Shot Sim2Real without Real-World Data
著者: Oishi, K., Kato, T., Makino, H., Ito, S.
掲載誌: IEEE International Conference on Robotics and Automation
掲載日: 2025年5月20日