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電池診断のための高精度なMHz帯インピーダンス計測技術

当社の石川敬祐らが行った研究が IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement に掲載されました。

電気自動車、再生可能エネルギーの普及のためには、電池の診断技術の重要性が高まっています。特に、リチウムイオン電池では健全性を低下させる「リチウム析出」という劣化モードの診断技術が重要です。当所では、MHz帯のインピーダンス注1変化を解析することでリチウム析出を検知できることを見出し、この解析アルゴリズムを実装した電池診断技術「MaMoRiS®」を開発しました(詳細はこちら)。一方で、診断の信頼性をさらに高めるためには、より広範囲な周波数帯域にわたって高精度なインピーダンス計測を行う必要がありました。

本研究では、「Extended Shunt-Through法」と呼ばれる新しいインピーダンス測定手法を提案しました。本手法は従来手法の10倍以上となる100MHz以上の周波数まで高確度、高精度に計測を可能にします。本手法の特長は、MixedモードSパラメータ注2計測をインピーダンス測定に応用することによって、配線などの物理的な構造に由来する寄生インピーダンスの影響を分離し、電池インピーダンスのみを抽出する新たな計算アルゴリズムです。この技術により、電池状態をより正確に把握できるようになり、安全な電気自動車、再生可能エネルギー運用に大きく貢献することが期待されます。

注1)インピーダンス:交流回路における電流の流れにくさ
注2) MixedモードSパラメータ:4ポートの信号を差動/同相成分に変換したパラメータ

タイトル: Extended Shunt-through Method for High-frequency Battery Impedance Measurement
著者: Ishikawa, K., Usuki, T., Komagata, S., Morimoto, R., Ishigaki, M.
掲載誌: IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement
掲載日: 2025年4月9日
https://doi.org/10.1109/TIM.2025.3558744

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