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電気化学反応による大気中CO2の回収&放出サイクルを実現

当社の村瀬雅和らが豊田理化学研究所と共同で行った研究が Angewandte Chemie International Editionに掲載されました。

地球規模の平均気温の上昇が問題視される中、温室効果ガスの一つとされる二酸化炭素(CO2)を回収して貯留・有効活用する技術が注目されています。CO2を回収する方法の一つの選択肢として、大気中のCO2を直接回収する技術(Direct Air Capture; DAC)が世界的に研究されています。これまでに様々なCO2吸収剤や駆動方式が提案されており、当社でも低濃度のCO2を高効率で吸収する錯体材料の開発 などを通じて、DAC技術の研究開発を進めています。

本研究では、CO2吸収剤に我々が開発した三核亜鉛錯体(Zn3L)を用い、電気化学反応を介して大気中の希薄なCO2を迅速に回収し、任意に放出するシステムを構築しました。電気化学反応の動作に必要な支持電解質にイオン液体注1を採用したことにより、動作中の不溶塩の析出を抑制し、錯体の安定的なCO2回収放出サイクルを実現しました。この反応は電気エネルギーによって常温常圧で駆動するため、システム構成がシンプルである点が特徴です。本システムは、DAC技術の発展と普及に対し、有望な選択肢の一つとなることが期待されます。

注1)イオン液体:常温環境下で液体として存在する塩

タイトル: Electrochemical CO2 Fixation and Release Cycle Featuring a Trinuclear Zinc Complex for Direct Air Capture
著者: Murase, M., Sakamoto, N., Uyama, T., Nonaka, T., Ohashi, M., Sato, S., Arai, T., Itoh, T.
掲載誌: Angewandte Chemie International Edition
掲載日: 2024年11月28日
https://doi.org/10.1002/anie.202420703

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