Diversity & Inclusion

仕事と育児・介護の両立支援制度:Case1 研究リーダ 篠原朗大

2007年、研究職入社
燃料電池自動車に関する研究推進のリーダとして、10名のメンバを束ねる
2歳から小学校2年生まで5人の子供と妻との7人家族

三つ子の誕生により、生活が大きく変化

大学院卒業後、2年間アメリカでポスドクとして研究職に就いていました。ある時、大学時代の恩師から「豊田中研に燃料電池の研究に取り組んでいる部署がある。そこで、有機合成ができる人を探している」との話があり、入社試験を受けることに。大学院時代は自分が興味を持てるものを研究していましたが、職業にするのは “使ってもらえる、世の中のアプリケーションとして残していけるもの”との想いがありました。
現在は、燃料電池自動車の研究に携わっています。酸素と水素をいかに効率よく反応させて電気を取り出して車を動かすか、が大きなテーマです。水素社会の実現はこの先の未来には欠かせないもの。それだけに研究が尽きることはありません。
プライベートでは、結婚して子どもが生まれことから、生活が大きく変わりました。生まれてきた子どもが三つ子だったんですよ。お風呂に入れたりご飯を食べさせたりするために毎日定時退社、職場と家が近いこともあり、子どもが2歳になる頃まではお昼ご飯を食べさせに昼休憩を使って一度帰宅することも。裁量労働制の枠内でやりくりをしていましたが、やはり会社にいる時間はそれまでに比べて短くなりました。

「任せる」ことで仕事がうまく回る

時間的な制約が生まれたことで、これまで自分でやっていたことを「協働する」やり方に変えていきました。方法を指示して進めておいてもらい、それをチェックして私が最後にまとめるという研究スタイルです。それでも、時間の制限なく取り組める人よりは研究のスピードは遅かったかもしれない。正直焦りはありました。しかし、仕事ばかりで家庭が崩壊しては何の意味もない。そんな想いでいました。
三つ子が生まれた2年後に4人目が生まれ、その3年後に5人目が生まれました。5人目が生まれた時には1カ月間の有給休暇を取得しています。研究リーダという立場もあり、メンバたちにこの1カ月の間に進めておいて欲しいことを事前に伝えました。リーダである自分が常に現場にいないとダメではないかと、自分も周りも思ってしまいがちですが、そうではないのですね。任せることでグループがうまく回っているという感触があります。

『育児・介護のための在宅勤務制度』を使い成果を返していきたい

『育児・介護のための在宅勤務制度』の利用は週に2日ほど、早朝の1時間程度を充てています。前日までに読み切れなかったメールを確認したり、資料の作成をしたり。実験がメインの研究職の場合、在宅でできることは限られますが、自宅で事務仕事を済ませられるのは助かります。
また、『在宅勤務制度』を利用する研究メンバがグループ内に出てきたことも嬉しいことです。できる限り仕事を早く切り上げて、自分の時間や家族の時間を充実させて欲しい。在宅でもある程度業務に取り組めるよう、仕事の配分を考えています。
子どもの急病時にどちらが対応するのか、という妻との議論も少なくなりました。妻の勤め先には『在宅勤務制度』がなく職場でしか仕事ができない。一方私は在宅での仕事も業務として認められる。お互い納得の上で、急病時はもちろん私が対応しています。

仕事は人生の一部。仕事だけに偏るのではなく

5人の子どもたちもだんだんと大きくなり、以前よりは育児の負担が減りつつあります。増えた自分の時間をどう活用するのかと考えた時、仕事の時間に割り振るのが一つ、自分の健康維持のために利用するのがもう一つ。今取り組んでいる仕事をもっともっと突き詰めたいですね。また、走ったり泳いだりする時間も増やしていきたいです。
私は、仕事は人生の一部だと思っています。40年間勤めたとしても、その後の人生も長い。仕事の時間、自分の時間、家庭の時間。どれも均等にあるのがいいのではないでしょうか。
育児休暇を取得すると周りがどう思うのか不安を覚える人もいるかもしれませんが、どんどん取ればいいと思いますよ。私も今となっては、有給休暇を1カ月と言わず、育児休暇としてもっと長い期間取得すればよかったとも思っています。自分の時間や家庭の時間を充実させることは、決してキャリアダウンにはならない。それが人生を豊かにすると思いますし、仕事のモチベーションにつながるのではないでしょうか。

(2018年9月作成)

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