Diversity & Inclusion

多様な人材の活躍 輝く女性:Case3 研究マネージャ 小島祥子

1995年、研究職入社
5つの研究室を抱える研究部のマネージャとして、80人のメンバを束ねる
小学校6年生の娘と夫との3人家族

手をあげることで、切り拓いてきた

工学部出身で、研究を通じて世の中の役に立ちたいと思い、豊田中研に入社しました。今振り返ると、入社して3年くらいはチームの中で分担した仕事をこなしていただけで、本当の意味で役に立っているという実感はありませんでした。その後、社内に新しい研究テーマが立ち上がった時に手をあげ、メンバに加わりました。その研究は実用化のフェーズに応えることはできませんでしたが、学術的な評価を得ることができました。現在進めている自車の位置推定や地図生成も当時の知見を活かし、自ら提案したものです。これは実用化のフェーズに繋げられる研究になりました。

自分が何をしたいのか、ではなく

ある時、チームの中で自分がボトルネックになっていると感じました。若手は、新しい技術を吸収し使いこなすことに長けていて、仕事が早い。一方、私は技術のことをよく知っているけれど、こなしきれない。このチームが最大のパフォーマンスを出すためには、研究者としては一線を引き、マネージャとしての役割を担うことがより良い方向であると判断しました。
実際のところ研究は楽しいし、まだまだ研究者としてやっていきたい気持ちがあります。しかし、ある一定の段階に達した時には、「自分が何をしたいのか」ではなく、組織全体を考えて「自分の果たすべき役割」を見出すことが必要だと考えるようになりました。そして、組織として考えるという視点は、マネージャだけが持っていればよいものではありません。全体を考えるという視点に、研究者一人ひとりが気づくことが必要だと考えます。

子育てとの両立

育児休職は子どもが9か月半になるまで取得。その後、夫が2か月半取得しました。お互いが研究者であり、家事も育児もすべて50:50。保育園や学童保育の送迎も交代で担当してきました。残業できる機会は半分になりますが、時間が限られているため、無駄に悩まなくなりました。判断材料は限られており、時間をかけても結果に大差はないと思えるようになりました。悩むのではなく、常に、今考えられるベストを選択していきます。また、今まで通りの内容をすべてこなすことはできないため、どうやったら仕事を効率よく進められるかを考え、実行してきました。実際、復職後は集中してコアになる仕事ができていると感じています。
現在も年に1-2回の海外出張があり、夫にすべてを任せて1週間ほど家を空けることがあります。今は、スカイプなどを活用し、離れていてもコミュニケーションをとれる時代です。出張先からタブレット端末を使い、小学校6年生の娘に「おはよう」と声をかけます。子どもの表情と声を届けてくれるツールが私の安心材料となっています。
そして、「子育てとの両立」は、私の働き方(家のことを優先する日があること)を仕事関係の方が理解してくださっている状況があるからこそ、成り立っています。スケジュールを調整する際に配慮いただいたり、私の帰宅時間を気にしていただいたり、職場のメンバにはいつも感謝しています。

マネージャとなり見えてきたこと

あるテレビ番組で、航空管制官の仕事を取材したものがありました。ベテラン管制官は、空港を発着する飛行機に向かって指示を出すだけでなく、常に「あなたの飛行機を見守っています」というメッセージを発信しているのだそうです。最初にこの番組を見たときには思い至らなかったけれど、今、マネージャとなり気づいたことがあります。それは、組織をマネジメントしていくことは、個々のメンバが能力を発揮する中、全体の統制をとり、業務を遂行していくだけではないということです。全体が気持ちよく仕事をし、パフォーマンスを向上させるためには、個々にメッセージを発信し続けることが大切だと教えられました。個人の役割を示し、それぞれのがんばりに目を向けることが大切と考え、見守っていることをメンバに伝えていきたいと思っています。

(2016年2月作成)

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